タトゥーで人を殺す。

リンカーン・ライムの新作がやっと手に入った。「スキン・コレクター」だ。相変わらず、ずっしりと持ち重りするんだよね。こういうときなんだ、いつもわくわくして、心が躍るのは。じっくり座り込んで、早く読んでしまえばいいのに、本を抱えてあっちへうろうろ、こっちへうろうろ。

 いつもの通り、殺しのシーンから幕が開く。薄暗い地下の倉庫に荷物を取りに来た女が一人、なんとない不安に襲われる。地下室の奥のほうに、小さなドアが一つあるのだ。こんなものがあることに気付かなきゃいいのに、気づいたばっかりに不安に襲われる。おなじみの展開だね。

 それはそうとニュースを一つ。幕開きから、リンカーン・ライムが失望している。あの、あのウォッチ・メイカーが獄死したのだそうだ。しかし、これ、本当の獄死なのかねえ、なんて考えているうちに、女が死ぬ。タトゥー・ガンという刺青の用具で、悶え苦しみながら死んでゆくのだ。この犯人のどこがどう、ボーン・コレクターと絡んでくるのだろう?

 なんて想像をたくましくしているうちが、多分、花なんだろう。